当院で接種可能な水痘ワクチン

水痘の発生状況

全世界に分布しています。

水痘ワクチンの接種をお勧めする方

1歳から接種可能です。

※妊婦はこれらの生ワクチンの接種は避ける。
※また、このワクチンの接種後は少なくとも1か月以内には妊娠を避けるように気をつける。(ワクチンのメーカーは、接種後の3か月間は避けるよう勧告している)
※周囲に感染者が出た場合:3~5日以内(72時間~120時間)に予防接種を受けると感染を防御、症状を軽くできるとされています。

水痘の感染原因と症状

水痘の症状と兆候

子供の場合、10歳以下の子供によく見られる感染症で、軽い風邪症状から始まり、次の3~5日に赤い小さな発疹(ブツブツ)が現れます。

38度前後の熱が続く中、胸部、背中、おなか、顔に小さな紅斑(発疹)ができます。翌日には口の中や耳など全身に広がり、目に現れることもあります。紅斑は水をもった非常にかゆい水膨れに変化したのち、かさぶたとなります。数日にわたって紅斑が次々と現れるため、紅斑と水泡とかさぶたが混在していることも多いです。

成人の場合、子供の症状と似ていますが、より重症になる可能性があります。また、大人の水疱瘡は、発疹が現れる1~2日前に発熱や倦怠感、食欲不振、身体の痛みや頭痛などインフルエンザ様の症状がみられます。通常5日目まで新しい発疹が現れ、6日目には大部分がかさぶたに変化します。ほとんどのかさぶたは発症後20日未満で消失します。

水痘の潜伏期間

水痘の潜伏期間は10~21日(多くは14~16日)です。

水痘の伝染期間

発疹が出現する1~2日前から水泡が痂皮化するまでの7~10日程度は体内からウイルスが放出されているため伝染力があります。伝染力は麻疹に次いで強く、家族内感染発症率は90%以上といわれています。

水痘の治療

子供の水疱瘡の場合は、経過が良好なことがほとんどで7~10日で治癒します。そのため、特に薬を使わずに自然に治るのを待つこともあります。

解熱剤の中には使用すると重篤な副作用(ライ症候群)を引き起こすものがありますので、自己判断での市販薬の使用は避けましょう。

抗ウイルス剤は発疹が出てから48時間以内に服用すると軽症化(症状が軽くなり、発疹がかさぶたになるのを早める)が望めます。

痛みまたは熱:
痛みや熱にはアセトアミノフェンやアンヒザ坐剤が使用されます。

脱水:
脱水を防止するために水分を補給しましょう。
子供には砂糖を含んでいないアイスキャンディーや子供向けの経口電解液がお勧めです。

口痛み:
口のなかに水疱ができて痛みがあるときは、砂糖を含んていないアイスキャンディーやぬるいスープなどがお勧めです。塩気やスパイシーな食品は避けましょう。

かゆみ:
水疱瘡で処方する塗り薬には、発疹のかゆみを鎮めるための薬と二次感染を予防するための抗生剤の2種類があります。

ウイルスが手指についたり、発疹に細菌がついたりするのを防ぐためにも、綿棒などを使って塗るとよいです。

水痘の合併症

稀ですが、皮膚の重い細菌の二次感染や脳炎や肺炎などさまざまな合併症を起こすことがあります。日本でも、水痘により毎年約3,000人が重症化し、10人以上が死亡しています。成人や妊婦が水痘を発症した場合に合併症を起こす確率は子供よりも高くなりますが、1歳前、7~10歳以上、アトピー性皮膚炎など皮膚の病気のある人は、健常者の子供や成人も重症になりやすいため注意が必要です。

妊婦の水痘感染

水痘と妊娠

妊娠中(特に妊娠20週以前)に水痘にかかると、生まれてくる赤ちゃんの約2%が先天性水痘症候群を発症することがあります。先天性水痘症候群は皮膚瘢痕、発育障害、神経系の異常、眼球の異常、骨格の異常などの症状をきたします。 また出産5日前から出産後2日も妊産婦が水痘を発症した場合、赤ちゃんも重症な水痘を発症しやすくなることが知られていますので、妊娠を希望する女性は妊娠前に水痘ワクチンを接種して免疫をつけることが重要です。

水痘のすべて

水痘ワクチンの歴史

現在世界中で使用されている水痘ワクチンは、 すべて岡(Oka)株の弱毒生水痘ワクチンで、日本で開発され、1984年にヨーロッパでハイリスクの子供を対象に認可されました。その後、1986年に国内でも認可されています。ワクチン接種による有効性と安全性から1985年に世界保健機関(WHO)から弱毒生水痘ワクチンとして最も望ましい株であると認められました。米国では1996年から水痘ワクチンの定期接種化を開始され、日本では2014年10月1日から定期接種対象疾患(A類疾病)となりました。

水痘ワクチンの接種年齢

日本では2014年10月1日から水痘ワクチンの定期接種が開始され、生後12~36か月の幼児(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日まで)を対象に2回の定期接種が開始されました。

2014年度は経過措置で生後36~60か月の幼児にも1回接種。

13歳以上の健康な人で、水痘の免疫がない場合は、28日以上の間隔をあけて水痘ワクチンの2回の接種をお勧めします。

水痘ワクチンの副反応

水痘ワクチン接種による一般的な副反応として、予防接種直後から翌日にかけて発疹、蕁麻疹、紅斑、かゆみ、発熱が現れることがことがあります。水痘ワクチン特有の副反応として、接種後1~3週間頃に発熱や発疹がみられることがありますが、数日で消失することがほとんどです。稀に帯状疱疹になることがありますが、頻度は低いです。接種後にアナフィラキシー様症状として、蕁麻疹、呼吸困難、急性血小板性紫斑病が接種数日後から3週頃にみられる場合があります。

水痘と帯状疱疹

帯状疱疹と水痘

主に子供の時に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、水痘(水疱瘡)を発症します。水痘が治癒した後も体内の水痘・帯状疱疹ウイルスは骨髄から出る神経節に潜んでいます。普段は免疫力によりウイルスの活動を抑えているので発症はしませんが、疲れやストレス、身体の免疫が低下するとウイルスは再び活性化し始めます。ウイルスは神経節から神経を通って皮膚へと移動し、帯状に発疹や痛みがでる帯状疱疹を発症します。

帯状疱疹から水痘に感染する可能性

帯状疱疹の患者さんが帯状疱疹として人に感染することはありません。しかし、過去に水痘にかかったことがない人や水痘予防接種を受けてない人には、水痘(水ぼうそう)としてうつす可能性があります。皮膚の症状が治るまでは、水ぼうそうにかかっていない赤ちゃんや子供、妊婦と接触しないようにしましょう。

水痘ワクチンの種類と接種方法

水痘ワクチン(国産)

接種回数:1回または2回(4-8週間後)
抗体価持続期間:20~30年
初回接種(0.5ml)
水痘ワクチン

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  • 家族が水痘にかかりました。今からワクチン接種しても効果はありますか?

    水痘は麻疹と同様に感染力が非常に強く、家族の一人が罹患すると、抗体を持たない家族は次々に感染してしまします。
    水痘の患者さんと接触後3日(72時間)以内にワクチン接種を行うと、発症を阻止できると報告があります。家族などの濃厚接触者の場合、発症する数日前から既に感染している可能性があるため、ワクチン接種は間に合わない場合もありますが、軽症ですむこともあります。

  • 水痘ワクチンの効果はどのくらい持続しますか?

    水痘ワクチンを1回の接種すると80-85%抗体がつき重症化を防げますが、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。

  • 水痘は2回かかりますか?

    水疱瘡は一度感染すると免疫がつくため、基本的には2回以上かかることはありません。
    ただし、下記の方は2回かかる可能性があります。
    — 1回目が軽く済んだ場合などは、抗体が少なく免疫がつかないことがあるため、再度水痘にかかる可能性があります。
    — 免疫力が低下する病気にかかっている場合は、再度水痘になる可能性があります。通常、2回目以降の感染は1回目と比べて軽い症状で済むことがほとんどですが、もし2回目の方がひどくなる場合は、免疫力が低下する病気が関係している可能性がありますので、受診時に水痘に以前かかったことがあることを伝えましょう。

  • 水痘で死亡する可能性はありますか?

    近年の日本国内の統計によると、水痘は年間約100万人が発症し、約4,000人が入院、約20人が死亡していると推定されています。発疹における細菌の2次感染が多いことが理由の一つです。

  • 水痘は、どのように感染しますか?

    水痘の感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染(飛沫感染・空気感染)、水疱や粘膜の排出物に接触することによる感染(接触感染)があります。

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