当院で接種可能な風疹ワクチン

風疹の発生状況

世界の風疹の流行

  • 風しんはいまだ世界の多くの地域で一般的に存在する感染症です。
  • 風疹は麻疹と同様に、春先から初夏にかけて多く発生します。特に大人の症状は一般に重く、高熱が持続したり、関節痛を伴うこともあります。

風疹の感染原因と症状

風疹とは

  • 風疹(rubella)とは、発熱、発疹、リンパ節の腫れが特徴的なウイルス性発疹症です。
  • 妊婦(妊娠20週頃まで(特に妊娠初期)が風疹に感染すると、先天性風疹症候群として知られる先天性欠損症を引き起こす可能性があります。妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできませんので、妊娠前に子どもの頃も含めて2回の予防接種を受け、妊娠中に風疹にかかることを予防しましょう。
  • 風疹に対する特別な治療法風はなく、治療は対症療法が主となります。

風疹の原因と感染

  • 風疹ウイルスに感染した人の咳やくしゃみ・鼻水など風疹ウイルスを含んだ唾液や分泌物が空気中に飛び散り、これを他の人が吸い込んで伝染(飛沫感染)したり、風疹ウイルスが付着した手などから口・鼻に触れて感染(接触感染)します。咳や会話による飛沫の距離は通常1~2メートル程度ですが、勢いのよいくしゃみの場合は10メートル以上の場合もあります。
  • インフルエンザウイルスと比較すると感染力は強く、1人の感染者から5~7人にうつす強い感染力を有します。

風疹の予防方法

風疹の血液検査と風疹抗体価

  • 風疹に対して免疫がどのくらいあるかは血液検査で調べることができます。風しんの抗体検査は主にHI法とEIA法の2種類あります。 予防接種が推奨される風疹抗体価の参考値を下表に示します。検査方法によっては「陽性」=十分な抗体価とは限りませんので注意が必要です。
  • HI法で陰性かあるいは32倍未満、またはEIA法で風疹ウイルスIgGが陰性かあるいは8.0未満の場合は、過去に風疹ワクチンを受けた、あるいは風疹に罹患した既往があっても、風疹にかかる可能性があります。
  • 風疹抗体検査の結果、抗体がない、あるいは抗体があってもその量が少ない(抗体価が低い)場合は、風疹ワクチンの予防接種を受けて、風疹に対して免疫をつける必要があります。

風疹と妊婦

  • 妊婦(特に妊娠20週ころまで)が風しんウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんも風疹ウイルスに感染してしまいます。その結果、難聴や心疾患、白内障、精神や体の発達の遅れなどの障害をもった赤ちゃんが生まれる頻度が高くなります。これらの障害を「先天性風疹症候群(CRS)といいます。
  • 先天性風疹症候群の頻度は妊娠週数が早いほど高く、妊娠1か月でかかった場合50%以上、妊娠2か月の場合は35%などとされています。ただし風疹ウイルスに感染したにもかかわらず感染症状を発症していない状態(不顕性感染)でも、先天性風疹症候群は発生しますので注意が必要です。
  • 妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできませんので、女性は妊娠する前に風疹ワクチンの予防接種を受けることにより風疹に対する免疫を獲得しておくことが大切です。風疹は感染力が強いため、風疹患者が妊婦の近くにいた場合、風疹をうつしてしまい、その赤ちゃんが先天性風疹症候群となって生まれる可能性があります。妊娠中あるいは妊娠希望の女性のパートナーや家族、職場に妊娠出産年齢の女性がいる人などは、予防接種を受けた記録や風しんにかかった記録が残っているかどうかを確認しましょう。男女を問わずワクチン接種を徹底し、風疹の流行を防ぐことにより、自分と家族、そして周りの人々を風疹とその合併症から守ります。これまで風疹の予防接種を受けたことがない場合は、早めに風疹ワクチンの接種をお勧めします。

妊娠準備と風疹予防接種

  • 風しんの予防接種を受ける際は、あらかじめ約1か月間避妊した後に接種をしてください。また、風しんワクチン接種後は約2か月間は妊娠しないように注意してください。

授乳中と風疹ワクチン接種

  • 授乳中の生ワクチン・不活化ワクチン接種は可能です。
  • 妊娠中の検査で風しん抗体価が低かった場合には、出産後早期のタイミングでのワクチン接種が望まれます。
  • 生ワクチン、特に風しん含有ワクチン接種では、風しんワクチンウイルスが 母乳を通して乳児に移行することはありますが、赤ちゃんに風しんの免疫を与えるには至らないと言われています。

風疹ワクチンの種類と接種方法

風疹ワクチン(国産)

接種回数:1回または2回(4-8週間後)
抗体価持続期間:20~30年
初回接種(0.5ml)
風しんワクチン

麻疹風疹混合ワクチン MR(国産)

接種回数:1回または2回(4-8週間後)
抗体価持続期間:20~30年
初回接種(0.5ml)
麻しん風しん混合ワクチン

麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン MMR(輸入)

接種回数:1回または2回(4-8週間後)
抗体価持続期間:20~30年
販売元:GlaxoSmithKline社
麻しんおたふく風しん混合ワクチン MMR

風疹ワクチンについて
風疹ワクチンは生ワクチンといわれる種類のワクチンです。生ワクチン同士の同日接種や不活化ワクチンとの同時接種も可能です。但し、日本では予防接種実施要領により、生ワクチンを接種すると基本的に1ヶ月間は他のワクチンを接種できませんので、接種するワクチンの順番に気をつける必要があります。当クリニックで接種される方は、初回来院時にワクチン接種のスケジュールを立ててから接種開始しますのでご安心ください。

風疹ワクチン接種のご予約について

トラベル科は予約制ですが、当日予約も可能です。
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