腸チフスとは何ですか?
- 腸チフスとは食中毒の原因でもあるサルモネラの一種であるチフス菌による感染症です
- 汚染された飲み水や食物などを介して感染し発症します。
- 主な症状は高熱・発疹・便秘です。稀に腸に穴が開いたりすることがあります。下痢はあまりみられません。
- 早期発見と早期治療であれば、通常は腸チフスの症状は軽く、2週間以内に完治します。処置をしない場合は、およそ5人に1人の割合で亡くなります。
- 衛生水準の高くない開発途上国で蔓延しており、世界では年間に約1100万~2100万人が罹患していると推計されています。
- 日本での感染報告のほとんどが輸入事例です。帰国指定から医療機関を受診する際は、海外渡航先について詳細を伝えてください。
腸チフスの流行国
- 腸チフスは下水処理の整っていない発展途上国で最も流行しています。
- アジア(南アジア、東南アジア、東アジア)、中東、東ヨーロッパ、アフリカ(西アフリカ、東アフリカ、南アフリカ)、南アメリカは特に感染の危険があります。
腸チフスワクチンの費用はいくらですか?
腸チフスワクチンを含め、予防を目的としたワクチン接種は保険適応はなく、自費診療となりますので、ワクチン費用は医療機関により異なります。輸入ワクチンのため、為替などの影響で値段が変わることがあります。詳しくはお電話にてお気軽にお尋ねください。
腸チフスワクチン接種後の副反応
腸チフスワクチンを接種することにより起こりうる副反応は、頭痛、倦怠感、吐き気、発熱、戦慄、筋肉痛、接種部位の痛みや腫れなどです。
海外出発のどのくらい前に腸チフスワクチンを接種するべきですか?
不活化の腸チフスワクチンは接種後10~14日程度で抗体価を獲得します。海外渡航2週間前には接種をお勧めします。
腸チフスの感染経路と症状・治療
どうやってうつる?
汚染された水分や食事を摂取することが感染源となります。慢性の保菌者になり、帰国後に周囲に感染させます(便中にチフス菌を排泄)。
症状
感染して1~3週間は症状のない潜伏期の後、徐々に疲労感や発熱が現れ、頭痛、発熱、腹の淡いピンク色の発疹(バラ疹)、便秘などの症状が現れます。
高熱の割に脈が遅いのが特徴的で、消化器症状は必発ではないですが、しばしば水様性下痢や腹痛がみられます。
重大になると腸から出血したり、腸に穴が開いたりすることがあります。
治療方法
抗生物質を長期間服用します。
自分で出来る予防方法
食事の前にはしっかりと手を洗いましょう。
十分に加熱された飲食物を摂取しましょう。
氷、生水、生野菜、生肉などから感染する可能性がありますので、十分加熱調理してあるもの熱いうちに食べましょう。発展途上国では、ミネラルウォーターの封が開いていないことを確認しましょう。また、カットフルーツは洗った水が汚染されている可能性もあり、そこから感染することがありますので、傷んでいないものを自分でむいて食べるようにしましょう。
腸チフスの発生状況
腸チフスは世界で年間2100万人ほどが罹り、20万人は命を落とすと報告されています。主に、アジア、中東、東欧、アフリカ、中南米などの地域で旅行者の罹患者が集中しています。 A型肝炎の発生地域に類似します。
腸チフスワクチンの接種をお勧めする方
危険性の高い地域へ渡航される方は腸チフスワクチンの接種をお勧めします。
腸チフスの発生状況
当院で接種可能な腸チフスワクチン
腸チフスワクチンの種類と接種方法
腸チフスワクチン Typbar-TCV(輸入)
抗体持続期間:3年
接種対象年齢:生後6か月以上
販売元:Bharat Biotech社
腸チフスワクチン接種のご予約について
トラベル科は予約制ですが、当日予約も可能です。
お電話またはWEBからご予約ください。
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腸チフスワクチンは妊娠中に接種できますか?
妊娠中でも不活化ワクチンは接種可能ですが、妊娠初期は避け、安定期以降もしくはご出産後の接種をお勧めします。